NPO法人 若駒ライフサポート

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 ブログ『障がい者の親の試練について』

投稿日:2014年11月4日(火)

 私は今、呼吸器を緊急で取り付けることになった利用者さんの支援をしています。重度の障がい者で医療的ケアの多い方ですが、突然無呼吸状態になり急遽人工呼吸器を装着し、2時間後に自宅へ帰って来ました。ご両親は主治医から「呼吸器を取り付けないとAさんは天国へ行ってしまうよ」と告げられたそうです。呼吸器を取り付けてほっとしたとは思いますが、呼吸器の取り扱いやAさんと一緒に移動するときの大変さなど、日々大変さが増しているそうです。

 そんな時にお母さんが「Aにおまけ(呼吸器のこと)がついて、どこまで私を試しているのか」とぽつっと言いました。それまでも医療ケアを一人で頑張ってやっていたお母さんです。さらに、呼吸器がついたことで大きな負担になってきたのです。障がい者の親は、障がいのことを一生涯受け止めながら、子どもの介護をして生きています。さらに、様々な医療ケアが増えることでその子どもの命を守っています。親が医療ケアを出来ないと言ったら、命が消えることにもなりかねませんし、子どもの命の選択は親に重くのしかかっています。

 私も以前重度の障がい者と生きていたときに、このお母さんが言ったように、「私はどこまで頑張ればいいのか?」「私はもうたいへんと言えない」など介護に追いつめられていたことがありました。

 親の試練は、その子どもが生きている限り続きます。

 しかし、今、多くの人たちがそのお母さんのサポートをしてきています。決して、親御さんに変わることはできませんが、一緒に悩んだり、喜んだり、安心したり、ドキドキすることはできると思っています。そんな時間を側にいることで、Aさんの命は輝いてくれると信じています。

 親の試練について、ある父母の会の親御さんが「障がい者は神様からの預かりものです。そして、その生んだ親は神様がきっとこの親だったら育てることが出来ると思って選んだのだと私は思います。」と話していました。大変な時は大きな不安と伴に試練が続きますが、子供も自分自身も豊かな人生を歩めるよう、悔いのない介護を地域の支援者と一緒にしていきましょうね。

 

仮認定NPO法人若駒ライフサポート
理事長  大須賀 裕子

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