NPO法人 若駒ライフサポート

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ブログ『映画「風は生きよという」を観て』

投稿日:2016年3月29日(火)

3月19日に、八王子障害者団体連絡協議会主催の映画「風は生きよという」の上映会があり行って来ました。

当日は朝から雨が降っていたのですが、帰りには太陽が出て青空になっていました。この映画を見て、風を感じ、生きることの意味を考えた一日でした。

 

この映画は、人工呼吸器を使って生きている3人の方が登場します。それぞれの地域で一人暮らしや家族と一緒に暮らしている日常の生活が映し出されているのですが、映像の中では特に「音」を効果的に使っていました。それは「風の音」「鳥のさえずり」そして「呼吸器から出てくる音」などです。この映画のメッセージである「日常の尊さ」で、「たくさんの支援が必要だからこそ、多くの人と出会え、自由に動くことが出来ないからこそ、生きていることに感謝する」を、呼吸するための道具である人工呼吸器を使用している当事者だからこそ伝えている内容でした。

 

上映会の後に、映画の中に出演している海老原宏美さんからお話をしていただきました。その中で印象的だったことは、「生きている価値は何か?」と言う問いについてお話をされたことです。

 

『働いていることで生きる価値を判断してしまい、社会に役に立つことを人の価値として認める世の中になっている。そのなかで「尊厳死」の問題が出てきて、法制化しようという動きもあり、そんな動きに対して、人工呼吸器ユーザーは反対の運動をしています。人工呼吸器を使って生きている人の価値は何かを問いた時に、価値があるかないかで考えても答えが出ないのではないでしょうか―。』

 

そして、例えとして、屋久島の杉の話をされていました。

 

『屋久杉を見るために大勢の人たちが屋久島まで行き、樹齢数千年の杉を見て感動し、元気をもらい、生きる意味を感じ、それぞれの人たちの心を癒してくれるのです。ただの「杉」ですが、その杉の価値は見る人達が決めているのです。人の価値もそのように、自分が生きている価値があるかどうかを判断するのではなく、周りの人たち、世の中の人達が判断することではないでしょうか―。』

 

私は福祉と看護の仕事をしてきて、人の幸せと命の尊さを考えながら働いてきました。高齢者や障がい児者など弱者と言われる人たちが、共に生きる社会こそ豊かな国ではないかと思っています。この映画は全国キャラバンで上映会が開催される予定です。この映画を通してそれぞれが感じる感性に気づいてもらえると思います。

 

仮認定NPO法人若駒ライフサポート

理事長  大須賀 裕子

 

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