5月に小児総合医療センターの勉強会に行って来ました。勉強会の前に、人工呼吸器をつけたお子さんを自宅で介護しているお母さんと、これから人工呼吸器をつけて自宅に帰るお母さんとの初めての話しの場に、ご一緒させてもらいました。先輩のお母さんはお子さんの写真を撮ってきて、車いすやベットの周りの様子を説明していました。これから家でどんな事があるのかなど質問されていて、やっぱり親御さん同士の情報交換の重要性を痛感しました。
専門家ではない当事者同士の話しは貴重な情報です。そして、相談員も元親御さんなので、その経験を生かして退院後の生活のポイントをまとめていて、親御さんが検討できるようにしていました。親の力がこのように活かせる環境が必要だと思います。
さて、勉強会の内容によれば、人工呼吸器をつける子ども達が7年前から現在までに、およそ4倍になっているそうです。その理由の一つには、人工呼吸器の器機が小さくなって可愛らしいデザインになったこともあるそうです。その為に人工呼吸器をつけて在宅になる子どもも多くなっています。
しかし、課題もあります。まず一つは、レスパイト施設が少ないという事です。人工呼吸器をつけるお子さんは医療的ケアの多い方です。その為に親御さんはほぼ24時間の医療ケアが必要になって睡眠時間が1日数時間という現状です。また、人工呼吸器をつけることで今まで利用できたレスパイト施設がなかなか利用出来にくい状態になってしまいます。ショートステイ施設も人工呼吸器をつけた子どもを看護する体制が充分ではないので利用の制限が出るのが現状のようです。
また、このような方のケアプランを作れる人は医療と福祉の両方の知識を持っている必要があり、事業所としてもこのような知識と経験がある相談員となると、大変少ないのが現状です。また、より多くのケアが必要ということで、関わる支援機関なども多くなります。
その他の課題は
①居宅介護を受けることについては、特に年齢が小さいと難しい。
②ディサービスの受け入れが難しい。
③移動困難で受診や療育、散歩なども外出が難しい。
④在宅生活のケアプランを作ってくれる人が少ない。
等が勉強会で話されていました。
ところで「八王子重症心身障害児者の会」では、6月19日に呼吸の勉強会を開催します。どうぞ、興味のある方は参加してみませんか?よろしくお願いします。
NPO法人若駒ライフサポート
理助長 大須賀 裕子